クマ1頭が必要!
こんにちは。先日の英語レッスン中、「It takes a bear to catch a thiefってどういう意味ですか?」とのご質問を受けました。
「泥棒を捕まえるのにクマ1頭が必要」と訳せるものの、訳せたところでピンと来ないというのがご質問の趣旨です。これは記事の見出しか何かでは?ときいたところ、公開中の映画「パディントン2」のサブタイトル的なものだということでした。
オフィシャルサイトを見てみると、登場人物の1人が掲げている新聞1面の見出し(まさに!)が”IT TAKES A BEAR TO CATCH A THIEF”となっています(ちなみに、記事の見出しでは過去のことを現在時制で書きますので、takesとなっていますがtookの意味です)。
クマであるパディントンが捕り物で活躍するというストーリーを想像させる以上に、何かの言葉遊びや込められたメッセージを感じます・・・。映画のタイトルや記事の見出しにはよくある手法。調べると、元になっていることわざが判明しました。
It takes a thief to catch a thief.
「泥棒を捕まえるのに泥棒が必要である」が直訳ですが、泥棒のことは泥棒が一番よく分かっているという意味合いで、これに相当する日本のことわざは「蛇の道は蛇」。 元のことわざを知っていたら、パディントンが誤認逮捕される(=a thief 扱いされる)ストーリーを踏まえていて、この言葉遊びが「上手いなあー」ということになりそうです。
It takes A to doは「~するのにAが必要だ」ですが、最初に習うのが「時間が必要」という場合のit takes...でした。
It takes about thirteen hours to fly from Tokyo to New York.
(東京からニューヨークまで飛行機で約13時間かかる)
「必要」のtakeは使い方がおもしろく、
It takes two to make a quarrel.
(けんかをするには2人必要→けんか両成敗)
She’s got what it takes to be a leader.
(彼女は人の上に立つ器である)―ジーニアス英和辞典より
身近な例文を考えると、
It took three trips to carry all the boxes up to the meeting room.
(すべての箱を会議室まで3回に分けて運ばなくてはならなかった)
のように表現できます。この文は"trip"の使い方もポイントですが、takeを使うとすっきりして英語らしい感じになりますね。
こうしてみると、映画ってつくづく勉強になるなあーと思います。
本日もお読み下さり、ありがとうございます。
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