かもめの英語ハッピーブログ

英語講師、翻訳者、元外資系航空会社客室乗務員のkamomeskyが、英語学習法、実践の記録、日々の気付きなどについて日本語と英語で書いています。

アリス展と遠い記憶。

こんにちは。神戸で開催中の「不思議の国のアリス展」に行ってきました。告知のために新聞に小さく掲載されていた、子豚を抱えるアリスの絵がだんだんと私の心を占めるようになり、これは行くしかない、と。

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といっても、お話はほとんど忘れているし、それも原作でなくディズニーアニメの記憶なので、ちゃんと予習(?)すればよかったと思う残念な観覧者でしたが、展覧会は予想以上の面白さでした。

挿絵の原画が見どころでしたが、鉛筆(と思います。作品全般について画材や支持体の表記がありませんでした)で描かれたごく小さなスケッチで、その繊細さに驚きました。

「Alice’s Adventure in Wonderland」の初版本など貴重な書物が多数展示されていましたが、そのコーナーは所蔵がすべて「聖徳大学聖徳大学短期大学部」ということに驚きました。大学が「実物教育を積極的に推し進めるために」(公式サイトより)収集したコレクションだということです。素晴らしい―。

中には撮影可能な展示作品もあって、比較的最近の作品でしたが、世界観が素敵だと思うものもあり、しっかりカメラに収めました。

作者のルイス・キャロル(本名チャールズ・ラトウィッジ・ドッドソン)氏の多才ぶりもこの展示で知りました。「アリス」を扱った演劇や映画の展示、現代のアーティストの多様な表現(草間彌生氏の作品も!)、最後には今時のインタラクティブな展示もありました。全体として「アリス」の世界を多角的にとらえ、作品が後世に与えている影響を知る充実した展示だったと思います。

ところで、「鏡の国のアリス」の一場面、セイウチと大工が牡蠣たちと海辺で話をしている絵を見て思い出し・・・というより、口をついて出てきた英語がありました。

“The walrus and the carpenter met some oysters. Then they walked on the beach. After that the walrus and the carpenter ate all the oysters for lunch.” “That’s not fair!”, said Alice.

(「セイウチと大工は牡蠣たちに会いました。それから皆で浜辺を散歩しました。その後、セイウチと大工は牡蠣たちを皆、昼食にしたのでした」「そんなのずるいわ!」とアリスは言いました)

これは、中学の英語の教科書に出ていた英文(教科書向けに書き換えられたもの)で、暗記してしまったものです。当時、英文法を気にしていなかった私はひたすら暗記していました。それには音の教材が不可欠で、教科書の英文を収録したカセットテープ(!)を購入し、毎日のように聞いていました。

「アリス」を扱った章の中で、このセイウチのくだりだけ覚えているのは、この部分だけが簡単な節(曲というほどのものではありません)をつけて朗読されていたので、記憶に残ったようなのです(その節付きで覚えています)。

展示の前で思わず口ずさんでいました。簡単な節のようなものでも、リズムがついていると忘れないものだということを改めて実感します。

「アリス」に話を戻すと、この物語の魅力が今も色褪せないのは、作者が目の前の大切な人のために語った特別なものだったからだと思います。

愛ですよ、愛。

というわけで、読みたい原書がまた1冊・・・。

  

「不思議の国のアリス」を英語で読む (ちくま学芸文庫)

「不思議の国のアリス」を英語で読む (ちくま学芸文庫)

 

 

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