かもめの英語ハッピーブログ

英語講師、翻訳者、元外資系航空会社客室乗務員のkamomeskyが、英語学習法、実践の記録、日々の気付きなどについて日本語と英語で書いています。

獣医さんの危機。

久しぶりにNPR(アメリカの公共ラジオ放送)を聞きました。さすがにラジオの英語は映像系メディアより聞きやすいと感じます(記事を読んで内容を確認することもできるので学習用にも)。トピックのセレクションも興味深いのです。

今回気になったのは、アメリカで獣医師が危機的な状況にあるというレポート。

"Veterinarians Are Killing Themselves. An Online Group Is There To Listen And Help"(獣医師の自殺止まず。オンラインのグループが傾聴と支援の手)

https://www.npr.org/2019/09/07/757822004/veterinarians-are-killing-themselves-an-online-group-is-there-to-listen-and-help

知りませんでした・・・。今回読んだのはアメリカの獣医師の話ですが、ネットで調べると、他の複数の国でも、獣医が自殺率が最も高い職種だという調査結果が出ているようです(イギリス、オーストラリア、スイスなど)。

以下、記事内容から抜粋します。

アメリカでは男性獣医師の自殺率は一般の人の2.1倍、女性獣医師については3.5倍の高さ(CDC:米国疾病管理予防センターによる調査)で、獣医の6割以上が女性であることを考えるとかなり深刻といえます。

原因はストレス。まず、学生ローンの返済問題(ちょうど実践ビジネス英語がこの話題)。平均14万ドル(現在のレートで約1,500万円)の負債が重くのしかかっているのです。米獣医師の年収の中央値は9万4000ドル(約1,000万円)ですが、内科医や外科医の半分以下の水準。

次に精神的負担。毎日のように病気や障害、死を扱う職業な上に、長時間勤務。1人で開業している獣医師が多く、広範な地域で開業しているのが自分1人という場合もあり、休みが取れません。友人との約束に遅れること、行けないことは日常茶飯で、取材を受けた女性獣医師は

"I've missed my own birthday dinner."

(自分の誕生日ディナーに行けませんでした)

また最近では、ペットが亡くなってしまった場合など、飼い主や見ず知らずの人々からのオンラインによる「荒らし」や脅迫のターゲットにされているといいます。ほとんど言いがかりのようなケースでオンライン攻撃を受け、追い込まれた女性獣医が自らの命を絶ったケースも報告されています。

獣医師は職業上、いつでも致死薬に手が届くということも、薬による自殺率の高さにつながっています。

獣医師たちを支援するために獣医師が始めたSNSベースのグループ「Not One More Vet」の会員は現在1万8000人。専門家によるメンタルヘルス支援ではないものの、実情を十分に理解する獣医師たちの大きなグループです。

"We are here to listen, commiserate, and give each other a shoulder, an ear, and a bit of advice when needed."

(話を聞き、同情し、お互いに肩を貸し、耳を貸し、必要な時にはちょっとしたアドバイスをするために私たちはいます)

日本ではどうなのでしょう?

ペットを飼う人が増える傾向にある中、このストレスフルな職業に就いている獣医さんたちが心配です。

 

All Creatures Great and Small: The Classic Memoirs of a Yorkshire Country Vet (James Herriot 1)

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ヘリオット先生奮戦記 上 (ハヤカワ文庫 NF 76)

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心温まる獣医さんの奮戦記を時々読み直している私です。

 

最後までお読みくださってありがとうございました。

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