かもめの英語ハッピーブログ

英語講師、翻訳者、元外資系航空会社客室乗務員のkamomeskyが、英語学習法、実践の記録、日々の気付きなどについて日本語と英語で書いています。

カリフォルニアは人の住む地

こんにちは。コーヒーは身体に良いという説が最近は主流のようですが、カリフォルニア州は厳しいようです。カリフォルニア州上位裁判所が今月7日、州内で販売されるコーヒー商品に発がんリスクを警告するラベルを貼るべきという判断を確定した、という記事で遅ればせながら、事の次第を知りました(汗)。

「Cancer Warnings to Be Served Up With Coffee in California」という記事(ロイター)によると、上位裁判所のElihu Berle判事いわく、

"Starbucks and other coffee sellers did not show that the risk from consuming acrylamide, a possible cancer-causing byproduct created during coffee roasting, was offset by benefits from drinking coffee."

スターバックスなどのコーヒー販売者は、コーヒー豆の焙煎時に生じる、発がん性のある化合物のアクリルアミドを摂取するリスクが、コーヒー飲用によるプラスの効果を相殺していることを示していない)

アクリルアミドとは? 焙煎など高温処理(調理)によって生じる化合物で、日本の農水省もHPで「食品中のアクリルアミドに関する情報」という告知を行っていて、具体的な数値データを挙げています。アクリルアミドを多く含む食品で、よく知られているのはポテトチップスかと思いますが、他にも、クッキー、揚げ物、ほうじ茶、インスタントコーヒーなどが挙げられています。とにかく高温で処理したものは要注意。

農水省から事業者へは「実施可能な範囲で可能な限り低減に努めましょう」というだけ。このHPで「諸外国の取組み」を読むと、日本がいかに何もしていないかが分かります・・・。

「EUでは、事業者団体が穀類加工品、じゃがいも加工品、コーヒーのアクリルアミド低減方法に関する調査研究を行い、中小の食品企業でも実施可能な低減技術について情報提供を行っています」

穀類加工品って、シリアルとかパンとかの焼成食品でしょう? 農水省のアクリルアミド含有値の表ではシリアルの最高値がとても高いのですが(相当のアクリルアミドを含む商品も出回っていると読めます)、健康なイメージのシリアル、大丈夫?

記事に戻りまして、スターバックスを含むカリフォルニアの多くのコーヒー販売店では、州の条項(Proposition 65)に基づいて、がんや先天異常などを引き起こす化学物質へのばく露(物理的な体表面への接触、吸引、摂取)について警告するラベルをすでに提示しているそうです。

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(写真参照:wsj.com)

どんな警告文でしょうか?

"Chemicals known to the State of California to cause cancer and reproductive toxicity, including acrylamide, are present in coffee, baked goods, and other foods or beverages sold here. Acrylamide is not added to our products, but results from cooking, such as when coffee beans are roasted or baked goods are baked.

As a result, acrylamide is present in our brewed coffee, including coffee made at home or elsewhere from our beans, ground or instant coffee, baked goods or other foods sold here, in grocery stores or other retail locations.

Your personal cancer risk is affected by a wide variety of factors.

For more information regarding acrylamide, see www.fda.gov. For more information about acrylamide and Proposition 65, visit www.oehha.ca.gov/prop65/acrylamide.html. "

カリフォルニア州が癌または生殖毒性を引き起こすと認めるアクリルアミドなどの化学物質は、当店で販売されるコーヒー、焼いた食品、その他の食品および飲料品に含まれています。アクリルアミドは、当店の製品に添加されたものではなく、コーヒー豆の焙煎時や焼いた食品の焼成時など調理によって生じたものです。

このため、当店のコーヒー豆・粉およびインスタントコーヒーを使用してご自宅やその他の場所で淹れたコーヒーを含む当店のコーヒー、当店・食料品店およびその他の小売り店舗等で販売される焼いた食品やその他の食品にはアクリルアミドが含まれます。

個人が癌にかかるリスクにはさまざまな要因が関与します。

アクリルアミドに関する詳細は、www.fda.gov. を参照。アクリルアミドとProposition 65についてはwww.oehha.ca.gov/prop65/acrylamide.html. を参照。

この警告文が、カリフォルニア州内のスターバックスの店頭で提示されているそうです。読まれてるのかな・・・。こういう注意書きというのは、英語のかかり受けがこれでもかと掛けてあって、訳しにくいです(汗)。

この中で言及されている Proposition 65(Proposition65 Safe Drinking Water and Toxic Enforcement Act of 1986:1986年安全飲料水及び有害物質執行法)は、

(1) 有害な化学物質の飲料水の水源への混入防止

(2) 有害な化学物質の人体へのばく露防止

を目的に、1987年1月に発効したカリフォルニアの州法。事業者に対して、癌または生殖毒性を引き起こすとされる有害な化学物質に作業者や消費者をばく露させる場合、事前に警告(告知)することを義務付けています。

違反すると罰則や罰金が科せられるということもあり、日本の企業は輸出品に関してはきちんと対応しているんですね。国内向けは・・・。危険性が確実でないから開示しないというのは消費者をないがしろにした判断だと思います。私たちは知らないうちにそういった商品を買い支えているわけですから。

日本も同じくらい人体の安全や環境を重視する地であってほしいと思います。せめて、県・市レベルでも「カリフォルニア並み」を目指してもらいたい・・・。

長くなりました。今日もおいしいコーヒーを(笑)。

本日もお読みくださり、ありがとうございます♪

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