チェックメイト。
カルロス・ゴーン氏の会見をライブで観た1人です。YouTubeで、初めてゴーン氏の英語を聞くことになりました。フランス語訛りのある英語で、聞き慣れるのに少し時間がかかりましたが、割と平易な英語で話していたと思います。
英語は分かりやすいのですが、話が一方的な演説調。途中で拍手が起こったりして、何やら株主総会を彷彿とさせます。社長訓示かプレゼンのようでもあり、観ている意味がないなあと思い、30分経過したところで視聴をやめました。
日本の司法制度に言いたい放題であまりいい印象を持ちませんでしたが、海外メディアの反応が気になって、翌日ニューヨークタイムズ(電子版)をチェックしました。
“Carlos Ghosn, Mum on Tokyo Escape, Unleashes a Rambling Defense”(カルロス・ゴーン、東京脱出には触れず、とりとめのない弁護を繰り広げる)(https://www.nytimes.com/2020/01/08/business/carlos-ghosn-beirut.html )
を読んで笑いました。
見出しにもあるrambling(とりとめのない)という単語であの「観ている意味がないなあ」感は共有されていたらしいことが判明。そして、記事冒頭の一文はこの会見が何だったかを見事にとらえていて、
"It was part corporate presentation, part legal defense, part rambling tirade. "
(会見は企業のプレゼンでもあり、法的防衛でもあり、とりとめのない長広舌だった)
Tiradeとは、よくぞ書いてくださった(笑)。NYT~♪
また、会見の内容について、
"The reporters who gathered to hear him speak at a Beirut news conference had hoped for an account of his daring international escape…"
(彼の話を聞くためにベイルートの記者会見に参集した記者たちは、大胆な国際的脱出劇の説明を期待していたが・・・)
この過去完了(had hoped for)を見た時点で、ああ、聞けなかったんだと分かりますね。
実際は、記者たちは”a wide-ranging and sometimes hard-to-follow defense (多岐にわたり、所々理解に苦しむ弁護)”を聞かされただけだったと書かれています。良かった、世界もあの話を真に受けていないようです。
結局、桁違いのお金持ちが財力で最高のチームを揃えて高跳びした、という話なのでは(笑)。格差社会のイリュージョン。
ゴーン氏はレバノンでは英雄扱いで、肖像切手にもなっていたそうですから、再び日本の司法制度にゆだねられることはなさそうです。昨年の記事、
”Carlos Ghosn, Fugitive but a Favorite Son, Returns to Beirut”(逃亡者ながら最愛の息子、カルロス・ゴーンがベイルートに帰還)(https://www.nytimes.com/2019/12/31/business/carlos-ghosn-lebanon.html )
が言い得ていました。
"Lebanon does not have an extradition treaty with Japan: checkmate,"
本日もお読み下さり、ありがとうございます。
May something wonderful happen to you today♪