かもめの英語ハッピーブログ

英語講師、翻訳者、元外資系航空会社客室乗務員のkamomeskyが、英語学習法、実践の記録、日々の気付きなどについて日本語と英語で書いています。

英作文上達のヒント

こんにちは。英検準1級対策では英作文も指導しています。準1級では、今の日本の社会的な問題についてのトピックが与えられます(2級より社会性が高く、1級より身近な話題です)。

生徒さんの作文を拝見していると、意外な動詞表現の選択が難しいことがあるようです。たとえば、日英で訳せても単語の守備範囲が異なる場合に、できあがった英文が意図しない方向にぶれてしまうということがあります。

なかでも、アクション(行為)か状態かの見極めが必要な場合です。日本語では1つの動詞の形を変えるだけで事足りる場合がほとんどのため、アクションか状態かで動詞を見極める必要があることに気づかないということが起こります。

少し具体例を挙げます。

例えば、「通勤電車に乗っているなら、事故が起きて出勤が遅れることをスマホ/携帯で職場に連絡できます」という文を考えます。主語を仮にpeopleとして下線部を訳すとき、

If people get on a train to work, とはできません。get onはアクションなので、既に電車に乗って吊皮を持っている状態には使うことができません。例えば、If people are on a train to work, などとすると、通勤途上で車内にいる「状態」を表現できます。

アクションと状態の単語の使い分けで、よく挙げられるのが「着る」「着ている」の違いです。着るというアクションはput onで、着ている状態はwear、と守備範囲が分かれています。 

I was putting on my uniform when the phone rang.

   (私が制服を着ている時に電話が鳴った)(アクション)

He was wearing a red shirt to be spotted in the crowd.

 (彼は人ごみの中でも見つかるように赤いシャツを着ていた)(状態)

Robin put on her glasses and picked up the newspaper. She wears glasses when she reads.

 (ロビンは眼鏡をかけ、新聞を手に取った。彼女は読書をする時には眼鏡をかける)

状態かアクションかを動詞(句動詞)自体が決めてしまう場合も少なくないので、日本語発想で押し切ってしまわないよう注意が必要です。身近で簡単な語ほど足をすくわれるということがあります。

また、辞書の用例は単純なようでいて、条件に合わない文要素を意図的に排除した例文になっています。足し引きして使いたい時には、動詞や時制の守備範囲からはみ出さないよう、こちらも注意が必要です。

今は辞書よりネット検索が早いかもしれませんが、ネット検索でヒットするものについてもお手本にできるとは限りません。search boxに入れた自分の表現で結構なヒット数が出たとしても、検索結果が非英語圏ドメインのサイトやブログ、無料の語学フォーラム/掲示板の質問文などが並んでいる場合、その表現は検定試験の作文やレジュメなどにはおすすめできません。

安全な(?)作文上達法としては、

①正しいと分かっている英語表現を使いながらそのストックを増やし、

②日本語ネイティブが誤りやすい単語や表現のパターンを知り、

③自力で書いたオリジナル作文は、ネイティブまたは同レベルの頼れる添削者に見てもらう

ことだと言えます。もちろん、たくさん書くことは欠かせません

ほかにも、

d.hatena.ne.jp

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など、以前のブログ「かもめの英語ポケット」でもライティングについて書いています。

本日もお読み下さりありがとうございます。

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